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2011.07.02 (Sat)

精神病

笠原 嘉著 Dr林が勧める統合失調症に関する本。勉強になります。


糖質的傾向→厭世傾向。他方に簡単に自立できない条件があってソレがフラストレーション。
躁鬱的傾向→集団に同化したい。ソレに失敗する事を恐れている。

ハリー・スタック・サリヴァン その子供達が不幸なのは「他人なのかに立ち混じる能力が自分にもある」という経験を、確実な物として自分の中にしっかり定着させる機会をもてなかったことだ。その結果「次に現れる人はどんな人だろう」といつも案じ、けしてソレが楽しい出会いになるであろうと考える事が出来なったのだ。だから、自動機とか青年前期に至って学校生活などで仲間を持ち、心理的に言えば「もう一人の人間を一緒にいる事がとても幸せで平和」と感じる初めてのチャンスを目の前にしながら、ソレをみすみすやり過ごしてしまう。*1
 要するに、他人に立ち混じって社会の中で生きるには最低「自分に対する自信、少し難しく言えば、自分が自分を評価する気持ち」がいる。そしてソレは幼児期児童期青年前期あたりの他人との交流の中からしか生まれない、というのです。この線上で、教育学に関係のある精神科医や臨床心理学者に少しでも予防法をかんがえていただけないものでしょうか。
 →エリク・H・エリクソンの最初の段階の発達課題であるベーシックトラストに近いですよね。どっちもフロイト系だから似ちゃうんだろうか。他人との交流で言えば相当書かれた当時よりかは進んだんじゃないでしょうかね。自助会地域医療っぽいやつとかね。

社会復帰成功者の条件として次の六項目が挙げられています。*2
1病状が安定している
2病院の近辺に住む人である
3デイケア、作業療法、患者クラブなどを利用している
4年金受給、生活保護受給で経済的に安定している
5パートタイマーとして適度の就労をしている
6病院からの訪問指導が行われている

1950年に精神衛生法という画期的な法律が施工され、それまで公認されていた私宅監置制度が廃止され、精神病の全ての人を医療下に入れるべし、ということになりました。

成人後見制度の導入  痴呆の高齢者、知的障害者、精神障害者など、自己決定能力の低下した人の権利を擁護し、地域で安心した生活を送れるように支援する。

ジナイン家の四つ子のケース*3 (四人全てが統合失調症を発症)
遺伝的要因:統合失調症生涯発症遺伝率については、一番高い数値である一卵性双生児でも一致率は50%強に過ぎないことが示すように、一言でいって遺伝だけで説明することは無理です。
環境要因:四つ子の誕生は例によってなかば祝福なかば好奇の対象となり、五歳半で歌と踊りのチームを組まされ、十一歳で母親の病気で中止するまで、六年間計二百二十六回の講演をしました。こういうと社交的であったように聞こえますが、実際の生活は社会からの隠棲者のそれに等しいものでした。父親は誘拐の危険があるといって夜ごと銃を持って家の周囲をパトロールした、といいます。それだけでなく、決して外に友人を持つことを許されず、特に異性については考えたり話したりすることさえ異様に厳しく両親から禁じられました。
 最近の報告に発病前を語る両親の古い友人の話が載っています。「彼女達は現実の中で育てられていなかった。すべては”ふり”だった。リッチである”ふり”。上流階級から誘われている”ふり”。両親が彼女たちに”ふりをする”ように仕向けた」
 四つ子の心理環境は独特で、上記のように最初両親や環境によって強制された生き方が、いとも簡単に全員の心の内側に同化されました。
この四つ子を例に、当時米国で「素質+ストレス」モデルが主張されました。統合失調症は遺伝的な素質の上にストレスが加わって発病するという、今から思えば当たり前すぎる説ですが、当時は遺伝が全てを決定するという説が、明快さゆえに、またある種の偏見を背景に、力を持っていた時代でしたから、このモデルには新鮮味がありました。

幼少時期以来の人間の社会性の発達は勿論、心理的環境的な条件に依存するところが大きいわけですが、その発達が全く脳と無関係におこるとは考えにくい。少なくとも成熟までの間、脳の中にその発達を支える機構があって然るべきではないでしょうか。分裂病という病気を見ていると、そういう可能性を空想してしまうのです。つまり今まで述べてきた脳研究、心理研究、社会研究を統合しようとすると、脳の中に言語中枢や認知中枢より上位で全体的な、そういってよければ「社会性中枢」とでもいうべき回路性の機能があって、それが十分に機能しなくなる、という可能性を空想したくなるのです。
 さて、原因についての上記の空想は単なる理屈と思われるかもしれませんが、私としては、むしろ治療面で総合的な指針を与える、という役割の方が重視しているのです。というのも、今日この病気に関わる人々はおしなべて病人の社会復帰をこそ目標としています。原因追求では脳研究、心理研究、社会研究と登山口を異にした者も、病人に然るべき形で社会性を獲得させるという実践目標では意見が完全に一致するはずだからです。
 今日改めて山の頂上に「社会性(ソシウス)」というスローガンを掲げなおしてはどうでしょうか。具体的な手法については、それぞれの登山者がそれぞれの研究成果をもとにあらためて知恵を絞ってみてはどうでしょうか。

*1サリヴァン「精神医学の臨床研究」中井久夫 1983年 381-385ページ。
*2仙波恒雄 「わが国の精神病院とその現状」「こころの科学」79、20~25、1998。
*3Rosenthal,D The Genain Quadruplets. Basic Books,1963 この紹介は、笠原嘉「遺伝と環境」、高良武久・大原建士郎編「現代の精神衛生講座」誠信書房、1966にあります。
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